あらすじ・作品の概要

デンマークを代表するアンデルセン 童話を
もとに作った人形劇です。

おしゃれがとても好きな王様の新しい 服、
「世にも不思議な服」と織物師は 言ってい
ますが、新しい服とはどのよ うな服なので
しょう。

はだかの王様1

作品の概要

 

はだかの王様

王様

 

デンマークの有名なアンデルセン童話です。
はだかの王様は大人が見ても楽しめるおは
なしです。

 

 

あらすじ

あるところに、新しい洋服が好きな王様が
いました。

この王様は新しい洋服を買っては、すぐに
また新しい洋服を買うような王様でした。

ある日、その王様のもとに1人の仕立て屋
がきたのですが、実はこの仕立て屋は嘘つ
きの詐欺師。

詐欺師は「愚か者やバカには見えない不思
議な生地がある」と王様に言い出します。

これを聞いた王様は大喜び。すぐに新しい
服を作るように注文します。

 

お話し

ある日、王様は新しい洋服の出来栄えを見
に仕立て屋のところへ行きますが、目の前
にある布地が見えずショックを受けます。

でも、家来たちの前で「バカには見えない
生地で作った服が見えない」ことを言えず、
見えないその布地を褒め、その布地で作られ
た洋服を着てパレードに出るのです。
むかしむかし、あるところに、とても着物の
好きな王さまがいました。
新しい着物を作っては、それを着て歩くの
が王さまの楽しみです。
ある日の事、服職人を名乗る二人のペテン
師がやって来て言いました。
「わたしたちは、とても美しい布をおる事が
出来るのです。その布はとても不思議な布で、
それで作った着物は、おろか者、つまり馬鹿
には見えないのです」
「ほほう。それは面白い。さっそく布をおっ
て、着物を作ってくれ」
王さまは、うれしそうに言いました。
(その着物を着て歩けば、家来たちが利口者か、
おろか者か、すぐに見分けがつくわけだ)
二人の男は布をおるのに必要だと言って、
王さまにたくさんのお金を出させると、
熱心に布をおり始めました。
とは言っても、本当は布をおっている様な、
ふりをしているだけなのですが。
「いったい、どんな着物だろう?
早く着てみたいものだ」
王さまは、その不思議な着物を早く着た
くてなりません。
そこで大臣に言いつけて、着物がどのく
らい出来たかを見にやりました。

さて、布を見に行った大臣ですが、布を
おっている二人の男のそばへ行ってみて
ビックリです。
「???」
何も、見えないのです。
ゴシゴシ、ゴシゴシ。
大臣は目をこすってみましたが、やはり
何も見えません。
それに気づいた男は手を休めると、
わざとらしく大臣に言いました。
でしょう。もうすぐ出来上がりますので、
王さまにふさわしい、立派な着物に仕上
げますよ」
「いや、あの、・・・うむ、そうだな。
確かに見事な布だ」
大臣はそう言うと、足早に部屋を出て
行きました。
「困ったな、王さまに何て報告すれば良
いのだろう?」
大臣は、悩みました。
大臣は今まで、うそをついた事が一度
もありません。
でも正直に見えないと言えば、自分は
おろか者だと言う事になり、下手をすれ
ば大臣をやめさせられてしまいます。
そこで、王さまの所へ帰ると、
「まことに見事な布です。もうすぐ出来
上がって、着物にぬうそうです」
と、うそを言いました。
「そうか、それほど見事な布か」
大臣がうそを言った事がないので、
王さまは大臣の言葉を信じました。
そして王さまは、その不思議な布を自
分でも見たくなり、あくる日、大臣を連
れて見に行く事にしたのです。

男が布をおっている部屋に着
いた王さまは、男に声をかけま
した。
「うむ、ごくろう。して、例
の不思議な布は、どこにあるのじゃな?」
すると男は、大きな布を持ち上
げるふりをして言いました。
「王さま、これでございます。どうです、
なかなか見事な布でしょう。たった今、
完成したのでございます」
「へっ? ・・・」
何も見えないので、王さまは目をゴシ
ゴシとこすりました。
それを見た男は、少し意地悪
く尋ねました。
「あの・・・、もしかして、この布が
お見えにならないとか」
その言葉にビクッとして王さまは、
あわてて言いました。
「いや、そんな事はないぞ。なるほど、
確かにこれは素晴らしい布だ。うむ、
実に気にいったぞ。さあ、早く着物に
ぬってくれ。もうすぐ行われるお祭り
には、ぜひとも着て歩きたいのだ。
あはははははー」
王様試着
そしてお祭りの日の朝、男が
完成した着物を届けに来て言いました。
「さあ、わたしたちが着物をお着せし
ますから、王さま、どうぞ裸になって
下さい」
裸になった王さまに、男は出
来上がった事になっているその着物を
丁寧に着せるふりをしました。
着せ終わると、そばにいた家来たちは、
「まことによく似合って、ご立派です」
「本当に。それにしても、見事な着物
です」
と、口々に褒め立てました。
「そうか、そんなに良く似合うか。
あはははははー」
王さまは、いかにも満足そうに言
いました。
「さあ、新しい着物のうわさを聞いて、
町の者も早く見たがっておる。すぐに
出発させよ」
王さまは行列をしたがえると、いば
って、ゆっくりと歩きました。

 

 

それを見た大勢の町の人たちは、
目を見張りながら、わざと大きな声
で口々に、
「何て立派だろう。とても良くお似合いだ」
「さすがは王さま。着物が良くお似合いだ」
と、言いました。
本当は、みんな何も見えていないのですが、
そんな事を人に知られたら、自分はおろか者
だと思われてしまいます。
その時です。
行列を見ていた小さな子どもが、笑って
言いました。
「わーい、おかしいな。裸の王さまが、
いばって歩いているよ」
その声を聞いた町の人たちも、口々に
言いました。
「やっぱり、そうだよな。王さまは、どう
見ても裸だよな」
「そうだよ。着物を着ているふりをしてい
るけど、王さまは裸だよ」
「ああ、見えもしない着物を見える様な
ふりをしていた、自分が恥ずかしい」
でも、もっと恥ずかしかったのは、
ペテン師にだまされて裸で歩いていた事
に気がついた王さまです。
しかし、今は大切なお祭りの途中なので、
すぐに行進を止めるわけにはいきません。
王さまは恥ずかしさのあまり、まっ赤に
なった顔のまま行進を終えると、逃げる様
にお城へ帰って行ったという事です。

おしまい

 

 

 

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